あの子の考えることは変

とうとうタバコを吸い始めた。二十三歳から吸い始めるやつ一番変。一番怖い。

地震に体力を持ってかれた母親が休憩のために東京に遊びに来た。その割に昼の2時のゴリラぐらい元気で、やたらと色々なところに連れ回される。「前髪が真っ直ぐで元気無い男はモテんに決まっとる!!!」て大音量で言われて、「そりゃそうだ」と思った。

「モテない」という現象が持ってる苦しみのパワーは意外と大きくて、負けるのが怖すぎて今まで色んな勝負から率先的に逃げてきた自分は、最近になってようやくちょっと勝負してみたら案の定ボコのボコにされて、「クソ強いじゃん……」となって、この年齢にしてやっとその「負」のパワーに圧倒されている。別に落ち込んでいるとかじゃなくて、ただただ「なにこいつ……」となっている。エアーズロックとか見た時と同じ感じでしょうね。「なにこのデカイ岩……」。

もうこういう文章を書いている時点で脳のなんらかの回路がぶっこわれているのは明白で、完全に降参、柔軟剤をたっぷり使った白旗が掲げられとる。本当に毎日誰とも喋らなかった大学時代、その孤独と引き換えに、「ファック!」と書いたメールを病的なまでに送りつけていた俺とはもうオサラバだ。死ぬんだクソユニバーシティー。次の段階、次の段階、と念じながら、古着屋でかわいいクマちゃんがプリントされたむっちゃ高いトレーナーを買ったりして、「大丈夫か?」と思ったりする毎日、ブルーハーツにハマったり、ラップにハマったり、タバコ吸いだしたり、次はピアスを開けて金髪にしようとしている(本当に)。どうしたどうしたどう……え、急に…。ネバーエンディングフォーティーン。多分死ぬまで思春期。キモい。

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