俺はRPGを最後までクリアした事が一回も無い男

好きな女の人に「ごはん行きませんか〜」て誘って「嫌だ。行かない」てギア5に入ったままの正面衝突事故で返される毎日を過ごしていた2016年。傷つけるようなことをしたつもりは無かったから意味不明だった。その意味不明さを好きになっていたから尚更どうしようもなかった。ただただ距離を置かれて、やりようがなく、毎日ハテナマークのオンパレードだった。


時間を守る男でお馴染みなので、飲み会に一番最初に着いた。どデカイ座敷の端の席に一人で座ってみんなが来るのを待っていた。男が四人ぐらい集まって、「観てて一番エモくなる映画なに?」という話をしていた。「ライク・サムワン・イン・ラブとかですかね〜」と答えた。

時間が経って、みんな集まってきて、その人も遅れて来て、「観てて一番エモくなる映画なんですか?」と聞かれたその人は、「エモいって何?」と聞き返していて、「なんか感情的に、うわ〜!ってなる映画です」てみんなが説明してて、それを理解したその人は「ライク・サムワン・イン・ラブ」と答えた。
全く同じ形状の歯車を持っている二人のはずなのに、凸と凸がぶつかったまま全く同じスピードで回転しているせいで永遠に噛み合わない。その事が悔しい。悔しいとかを通り過ぎて、「あ〜〜〜〜〜」としか言えない。扇風機に言う感じのあの言い方のやつ。

よりにもよって、『ライク・サムワン・イン・ラブ(まるで恋でもしているかのように)』でかぶるのが皮肉大爆発だった。

夜中の六畳一間で「あの人がただただ酔っ払ってるだけの映像を集めたDVDがあったら20万出す?」と聞かれたから「出す」と答えた。怖くなった。
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