そういうのわかんない僕ら

『十一時間ぐらい寝たんよ、今日。エロい事をする夢でさ、寝ると毎回夢を見る性質なんだけど、明晰夢みたいなやつできたこと一回もなくて、基本的に毎日夢の中の世界にのめりこんでるんだけどさ、だけどなぜか今日人生で初めて、夢の中で「待って!これ夢かもしれん!」と思ってとにかく全身つねりまくったりぶん殴りまくったりして、凄い冷静に俯瞰して「夢特有の辻褄が合ってなかったりする箇所はないか?」てチェックしまくって、ていうか何より冷静にチェックをできてることが夢じゃない証拠じゃん、だから「よし。てことは、これ現実だ!」ってなって、喜んでエロい事してたら急に目が覚めて、「え、え……え!……え、夢なの!?は!?あんだけチェックしたのに!?!?あんだけつねったりしたのに!?え!?……怖い怖い怖い怖い!!!」てなって、なんかもう何も信じれなくて、今生きてるここも絶対誰かの夢だと思うんよ。蟻って人間に踏まれて死ぬ時、人間に踏まれた事わかってなくない?だって人間クソでかいじゃん、蟻からしたら。その比率と同じで、地球が蟻ぐらいの大きさの無茶苦茶でかいなんかバケモノ的なやつがいると思うんよ俺、ここそいつの夢の中じゃない!?!?』

と友人に力説して、

『そういう風に生きれたらなんか楽だろうね。ここを誰かの夢として扱って生きてる人いたらおもしろっ』

と馬鹿な会話をした。



普通の人なら考えればわかることでも一回経験して失敗してみないとわからない奴らが好きだ。二回失敗するやつは大嫌い。映画の脚本が書き上がったのでみんなで稽古をする。カメラを買う。撮る。ここは巨人の夢の中じゃないし、仮に巨人の夢の中だとしても俺は徹底的に巨人に嫌がらせをするつもりだから、目が覚めた時に「うわ今日調子わる〜」て思えよ巨人。「久しぶりの休みだから家賃とか光熱費振り込んで、映画観て、服買って…」て巨人なりに今日の予定立ててるかもしれんけど、お前の今日の目的一個も達成できない日にさせてやる。

ノラのチケットが届いた。初武道館。四年越し。しかも多分至近距離。嬉しい。そして今年も紅白のウラトークをバナナマンがやるからこれも嬉しい。おでんを食いながら観る。幸福感と罪悪感を一緒くたにする脳の回路を今すぐニッパーでぶち切れ。