機械たちが行かないでって言ってるんじゃないですか

やる事無さすぎて映画を観まくったりラジオにメール送りまくったりしていた2013年あたり、町田のベローチェコーヒーでよく一緒に190円のコーヒーを飲んでた。

本多劇場でそいつがボロアパートの一室の窓を開け、「僕の景色…僕の街…」みたいなことを言って始まった。二時間四十分後、また友達が同じ窓を開け、「僕の景色…僕の街…僕の……」、暗転、明るくなったら真ん中で頭を下げていた。へむへむ言いながら泣いていた。忍たま乱太郎に出てくるあの白い犬だ。
良くも悪くも世界が閉じてるタイプの田舎で育ったので、東京に出てくるのなんて僕とそいつだけでした。
平日なのにほぼ満席の本多劇場の真ん中で頭を下げてるそいつを見て一気に色んな場面がフラッシュバックして、へむへむ言いながら泣いていた。忍たま乱太郎に出てくるあの白い犬です。天才てれびくんは木曜日だけ生放送だったから木曜日が嫌いでした。全然関係ないけど。
『カルテット』の最終回の日、いつものようにアルバイトをしていた。「バイトやめてえな〜いらっしゃいませ〜」て言いながら働き、帰り道、泥酔したババアが近付いてきて何か言ってる。イヤホンで音楽聴いてたから外して「え、なんですか?」と聞いたら、「顔かわいいからこれあげる!!!!」と叙々苑の袋に入った傘を渡された。傘持ってるから全く要らなかったけど、「あ、ありがとうございます」と言って受け取ったらババアが「ばいばい!!!」と満面の笑みで手を振ってきたから凄い大声で「ばいばい!!!!!!」と言い返した。家に帰ってカルテットの最終回を観て泣いた。お客さんが帰っていく中演奏し続ける四人が最高すぎました。

 

先輩映写技師お姉さんが泣いていた。
「映写技師が止める時は普段起きない機械トラブルが起きちゃうんだよ…」と言っていた。
現に映写機から映像が出ないというトラブルが起きていた。映像が出ない映写機はもうただの熱い箱でしかないから馬鹿です。今までやめていった人達の時も最後にはそういう謎トラブルが起きていたらしい。霊感とか皆無だけど映写室が神聖な場所だというのは初めて入った時から肌でわかった。先輩映写技師お姉さんだけが泣いててそれ以外全員が笑ってたらしい。その話を聞いて、あ〜〜〜〜と思った。
先輩映写技師お姉さんがやめたあと、年下の女の子もやめた。最後に会う日コンビニで買ってきたパウンドケーキをくれた。付箋が貼ってあって、「人生ムリしてたのしんでください。」と書いてあった。そんなに話したことなかったけど色々見抜かれたいたんだな、と思った。完全に根っこ刺してきてる凄い言葉だった。人生ムリしてたのしんで下さい。刺青にして顔面に彫った方がいい。

明日はキングコングを観ます。みんな、俺明日、キングコング観るんだ。