何て歌ってるのかわからないけど多分良いこと言ってる気がする

ハタチになった記念に何かしようと思い、近所にある銅像を毎朝触ることにした。十年が経って三十歳になった。友達から合コンに誘われてそこで出会った鬼ギャルに「俺毎朝近所の銅像触ってます。」と話すと、鬼ギャルが爆笑して「なにそれ、私も触りたいんだけど〜↑卍卍卍」と言ってきて、翌朝一緒に触りに行くことになった。その子と付き合って、月日は流れ、その銅像の下でプロポーズをして結婚することになった。

という話があったとしたら、銅像を触ることと結婚がイコールで結ばれている。「結婚する」ということを目標にすると偉い大きなものに思えるけど、「銅像を触る」を目標にしたら全然楽に思える。銅像触るだけでいいんだから。多分何でもいいから小さいことずっと続けとけば何かしらおもしろい感じになるな〜と気付いて、「塵も積もれば山となる」という言葉の本質が実感として染み込んだ六月でした。遅い!

もうすぐ二十四歳になります。二十四歳はやばい。大人すぎる。小学生の時ハンターハンターの幻影旅団編のところを「こえ〜〜〜、怖すぎる……」と思いながら読んでいたら母親から「そぎゃん気持ち悪かつば読まん!勉強しなっせ!」と頭蓋骨をぶん殴られていましたが、結局勉強はしなかったし、未だにハンターハンターの最新刊を買うたびにワクワクしながら読んでいる。幻影旅団よりも二十四歳の方が怖い。ハンターハンターが完結する前に死んでしまうのは絶対に嫌だからもし俺のことを狙っているスナイパーがいたらどうか手元が狂ってほしい。お願いします。手元が1ミリ狂ったら俺のところに弾が届く頃には1メートルズレる。塵も積もれば山となる。スナイパー、お前は人の命を狙ってないで就職しろ。毎日銅像を触れ。殺すぞ。

 

コタちゃんは俺よりも年齢が二個下だけど音楽にとても詳しくてバイト代をはたいてはブルーノートに足繁く通って壮年男女に囲まれながら一人でJAZZを嗜みつつアークロイヤルを吸う格好良い九州男児。コタちゃんは二十二年間、俺は二十四年間、みんなと同様に色んな人から色んな話を聴いてきた。コタちゃんと一緒におもしろい人からおもしろい話を聴く時も何回もあった。コタちゃんは誰よりも受け皿が広くて、「価値観の多様性を認めようぜ」という刺青を顔面に入れているこの俺でさえもムカつくような瞬間に、コタちゃんは飄々と微笑んで煙を燻らしたりしていた。ただ鈍感なだけじゃなくてちゃんと受けている感じがするから凄いな、と思っていたら今日も「しんちゃんローラ・マーリング好きだと思うよ」なんて聴いたことのない音楽を教えてくれたりする。
https://youtu.be/3fgyr7-RciE


髪の毛を真黒に染めた。片想いが変質してわけがわからなくなったウイルスに長い間髪の毛を金色にさせられていた。治りました。完治です。先生。処方箋燃やした炎でコタちゃんとアークロイヤル吸う。