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答え合わせタイムス
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一年振りぐらいの嘔吐。十七歳の時から年に一回のペースで律儀におゲロの方を吐かさせて頂いていますが、原因は不明、血を抜いて顕微鏡で覗いたりお腹にベトベトの汁塗って超音波飛ばしたりレントゲンプリクラ感覚で撮りまくってもお医者さんは「ストレス的な?なんかそういう不安的な?なんか多分そういうアレのやつ?かもしれないし、そうじゃないかもしれないね、医学の進歩ってイカすよね」と、濁す濁す。聴診器のLとR逆にしたろかいほんまに。
友達と終電で渋谷に行き、鳥貴族で鳥の貴族になり、そんなに煙草慣れしてないくせにアルコール入ると吸いたい欲に拍車がかかり一瞬でハイライト一箱を空け、何事も経験なので若干ビビりながらも水煙草を吸入に行くと甘い香りに誘われて親の仇みたいにガバガバガバガバ吸いまくり、またみんなで餃子を食べ、完全に堕落モードにスイッチ入っていたのでタクシーに乗り込んだらこの運転手さんがベタ・ブミ夫(べた・ぶみお)で時速80キロと時速0ミリメートルの二択。家につく頃には「おうぷおうぷ」言い出して玄関の鍵開けてトイレにダッシュして全てを無に還した、という感じでつらかった。点滴打って寝てる時が一番気持ち良い。命削りすぎ。阿呆です。
映写室にはバナナムーンリスナー、馬鹿力リスナー、メガネびいきリスナー、そして僕、という四人がいて、ラジオの話をしながらスクリーンに映像をこれでもか!とこびりつかせている。日村さんが炭酸水吐く映像見ながら一緒に笑ったり。
「2020年には東京でオリンピックがあるけど、それまでにはどうにかしていたいね」とよく話す。どうにかしたい、て、どうにかなったことなんかないんだけど、棒と糸を駆使して作った装置の先に人参ぶらさげられた馬みたいにもう何年も全力疾走している、このままの計算でいくと、2020年までにあと三回か四回吐く予定だ。非常にめんどくさいです。助けてください。
極東セレナーデおもしろい。オススメです。もうなんか江口寿史さんの絵のことはどう足掻いても嫌いになれないというか、嫌いになる必要なんか全くないんだけど、特に男で江口寿史さんの絵を見ても何とも思わない人は正直変だと思います!!!ごめん言い過ぎた!!!でも俺たちの全部だしそこに抗うの無理じゃないですか。
あの子の考えることは変
とうとうタバコを吸い始めた。二十三歳から吸い始めるやつ一番変。一番怖い。
地震に体力を持ってかれた母親が休憩のために東京に遊びに来た。その割に昼の2時のゴリラぐらい元気で、やたらと色々なところに連れ回される。「前髪が真っ直ぐで元気無い男はモテんに決まっとる!!!」て大音量で言われて、「そりゃそうだ」と思った。
「モテない」という現象が持ってる苦しみのパワーは意外と大きくて、負けるのが怖すぎて今まで色んな勝負から率先的に逃げてきた自分は、最近になってようやくちょっと勝負してみたら案の定ボコのボコにされて、「クソ強いじゃん……」となって、この年齢にしてやっとその「負」のパワーに圧倒されている。別に落ち込んでいるとかじゃなくて、ただただ「なにこいつ……」となっている。エアーズロックとか見た時と同じ感じでしょうね。「なにこのデカイ岩……」。
もうこういう文章を書いている時点で脳のなんらかの回路がぶっこわれているのは明白で、完全に降参、柔軟剤をたっぷり使った白旗が掲げられとる。本当に毎日誰とも喋らなかった大学時代、その孤独と引き換えに、「ファック!」と書いたメールを病的なまでに送りつけていた俺とはもうオサラバだ。死ぬんだクソユニバーシティー。次の段階、次の段階、と念じながら、古着屋でかわいいクマちゃんがプリントされたむっちゃ高いトレーナーを買ったりして、「大丈夫か?」と思ったりする毎日、ブルーハーツにハマったり、ラップにハマったり、タバコ吸いだしたり、次はピアスを開けて金髪にしようとしている(本当に)。どうしたどうしたどう……え、急に…。ネバーエンディングフォーティーン。多分死ぬまで思春期。キモい。